東京護摩趣意書
阿含宗は、ニューヨークでの護摩法要、パリでの大柴燈護摩法要に続き、このたび平成16年11月7日に、日本の首都でありアジアを代表する中心都市の一つ、東京において、世界平和と国土の安穏を祈る大柴燈護摩法要を厳修することになりました。
この地は、1603年の徳川幕府開府以来、1615年の豊臣氏滅亡による戦国乱世の終熄を迎え、明治維新の激動による多大な犠牲のもとに江戸から東京と名が改められつつも、いまにいたる401年間、日本の首都であり続けました。
江戸時代の有名な事件に、1657年(明暦3年)1月、江戸の大半を焼き尽くした「振袖火事※(明暦の大火)」があります。死者10万人以上を出したこの大火の原因は、町娘おきくが当年16歳で病死し、怨念がこもった彼女の振袖を手に入れた二人の娘が、いずれも十六歳で次々に病死したために、供養の上、焼き捨てようと火をつけた振袖が舞い上がり、ついに江戸八百八町を焼き払ったというのです。
東京となり、1923年(大正12年)9月、震度6の関東大震災とこれによって起こった大火災によって、死者・行方不明者、約14万2800人という被害が出ました。
そして太平洋戦争(大東亜戦争)末期の一九四五年(昭和20年)3月、米軍による東京大空襲。約百万発の焼夷弾によって焼き尽くされた死者・行方不明者、約11万人。五月にふたたび大空襲。東京は死屍累々たる焼け野原になりました。
日本の首都、江戸/東京は、業火によって三度焼き尽くされ、いずれの場合も10万人以上の犠牲者を出しています。
霊界の法則に「運命の反復現象」というのがあります。不幸な運命に遭った不運なお霊の陥った苦しい運命を、後の世代の人たちがそれと同じような不幸な運命を繰り返してしまうという現象です。
私たちは、この「運命の反復現象」を恐れるのです。先人の味わった大震災や空襲などの不幸は、ぜったいに避けなければなりません。私どもは、この運命の反復現象を心から恐れます。この運命の反復現象を消滅させるためには、不成仏霊の成仏供養しかありません。このための今回の震災戦災犠牲者成仏供養であります。
皆さまのご賛同ご協力をぜひお願いいたします。
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